子宮奇形
全ての内臓と同様、子宮の形も多かれ少なかれ個人差があって、いびつです。しかし、赤ちゃんの成育に関して不適切な形の子宮の場合、医学的には先天性の子宮奇形とよびます。先天性の子宮奇形が原因の流産は、妊娠初期に多く、不育症全体の15,16%にのぼります。もともと子宮というのは、人間の進化の過程で二つあったものが融合して一つになったと考えられ、融合不全のために奇形が生じますが、普通に生活する分には問題がないので、妊娠や流産を機に発見されることが少なくありません。
また、胎児を囲む子宮の壁である筋肉の組織を、子宮奇形と正常の子宮とで比較してみると、子宮奇形では分布する血管が非常に乏しいのです。そのため、実際は子宮の形ではなく、胎児に栄養を補給する子宮の血管の分布異常によって、流産を引き起こすと考えられています。
そして、子宮の血管分布の異常は、子宮の中で母体と胎児の間で妊娠初期にやり取りを行う各種のサイトカインの分泌不全が原因とも考えられています。サイトカインとは、臓器が互いに連携し、協力し合いながら機能を維持するための言語のようなもので、ホルモン同様、体内の臓器の関係を円滑にするための物質です。
受精卵が着床する際も、母体側と受精卵側の双方からカイトサインが発せられ、免疫に関する応答が繰り返されて、無事着床が行われます。奇形の子宮の場合はこのサイトカインの分泌が不充分になりやすく、妊娠の維持が難しくなるのです。