自己免疫の異常

自己免疫の異常

不育症の20%から30%を占めるのが自己免疫の異常で、これによる流産は妊娠初期から後期にかけて、いつでも起こりうるものです。母体は母体自身の体の一部を異物として認識して抗体を作ることがあり、抗体ができると血液が凝固して胎盤に血栓ができて、胎児に充分な血液が届かなくなり、胎児を死にいたらしめる場合があります。そしてその代表的なものが、抗リン脂質抗体症候群です。

抗リン脂質抗体症候群になると、血液成分である血小板の細胞の表面に血栓を形成したり、それぞれの臓器単位で抗原抗体反応による臓器不全が起きたりします。

妊娠中の胎児の発育は非常に早く、どんどん発育する胎児を支えるには、母体からの豊富な栄養とそれを運ぶ血液の流れが必要です。しかし、抗リン脂質抗体症候群の母体は、その血液の供給がスムーズにはできないのです。

実際に母体の抗リン脂質抗体症候群によって流産したと思われる胎児・胎盤を詳しく調べてみると、胎盤の組織には広範囲な血栓、血管の目詰まりが観察され、胎児へ充分な血液が供給できなかった状態が発見できます。この血栓・目詰まりは、血小板の膜上でリン脂質とその自己抗体が抗原抗体反応を起こしてしまったことを示すものなのです。

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